問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
32歳の女性。1回経産婦。妊娠中の血糖管理のため紹介されて来院した。自宅近くの産婦人科医院で妊娠の管理中であったが、妊娠26週に測定された血糖が172mg/dLであり、75g経口ブドウ糖負荷試験を施行され妊娠糖尿病と診断された。既往歴に特記すべきことはない。家族歴は母が2型糖尿病で治療中である。妊娠前から飲酒歴と喫煙歴はない。
身長160cm、体重71kg(非妊時68kg)。身体所見に異常を認めない。腹部超音波検査で胎児に異常を認めない。初診時、HbA1c 6.9%(基準4.6~6.2)。この患者に対して1,700kcalの食事療法と無理のない程度で体を動かすことを指導して血糖の推移をみた。2週後の来院時で空腹時血糖118mg/dL、食後2時間血糖186mg/dLであった。
この患者に対する最も適切な対応はどれか。
a. インスリン注射を考慮する。
b. DPP-4阻害薬投与を考慮する。
c. ビグアナイド薬投与を考慮する。
d. 毎日の運動量を400kcal増やす。
e. 食事エネルギー量を200kcal減量する。
b,c 妊婦に経口の糖尿病薬は控えるべし。
d 400kcal相当の運動は厳しいと思われる。ジョギング1時間以上とかです。
e 食事エネルギーは胎児の栄養を維持するために必要。