問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
50 歳の男性。健康診断で高血糖を指摘されて来院した。7年前の健康診断から指摘されていたが、仕事が忙しく医療機関は受診していなかった。仕事はデスクワークが主体である。
身長 175 cm、体重 75 kg。脈拍 72/分、整。血圧 162/92 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
尿所見:蛋白2+、糖1+、潜血(-)。血液所見:赤血球 550万、Hb 14.0 g/dL、Ht 43 %、白血球 6,800、血小板 30 万。血液生化学所見:総蛋白 7.8 g/dL、アルブミン 4.0 g/dL、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、尿酸 7.0 mg/dL、血糖 220 mg/dL、HbA1c 7.8 %(基準 4.6〜6.2)、トリグリセリド 190 mg/dL、HDL コレステロール 40 mg/dL、LDL コレステロール160 mg/dL。
治療方針として適切なのはどれか。
a. 血糖コントロールが達成されてから降圧療法を開始する。
b. 130/80 mmHg 未満への降圧を目指す。
c. 1,500 kcal/日の食事指導をする。
d. インスリン治療を開始する。
e. 食塩制限は 10 g/日とする。
a 血糖と高血圧を同時にコントロールする
b 正解。しかし、SPRINT試験では収縮期血圧120mmHg以下の方が良いデータが出ている。
c 現在の身長では1500kcalでは少ない
d いきなりインスリンは必要ないレベル。
e 6g以下にする。