問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
46 歳の女性。多尿を主訴に来院した。半年くらい前からトイレが近いことを徐々に自覚するようになった。最近になり就寝後にも2回程度トイレに行くようになったため受診した。排尿後は夜間であっても大量の水を飲んでしまうという。他に腹痛などの自覚症状はない。2年前から肝疾患で内服治療中である。
身長 156 cm、体重 54 kg。脈拍 68/分、整。血圧 144/92 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に異常を認めない。
尿所見:比重 1.004、蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)。血液所見:赤血球 421 万、Hb 13.2 g/dL、Ht 40 %。血液生化学所見:アルブミン 4.2 g/dL、AST 38 U/L、ALT 42 U/L、血糖 124 mg/dL、HbA1c 6.2 % (基準 4.6〜6.2) 、Na 143 mEq/L、K 2.7 mEq/L、Cl 102 mEq/L、Ca 10.0 mg/dL、P 3.2 mg/dL。
多尿の原因として最も考えられるのはどれか。
a. 耐糖能異常
b. 間質性膀胱炎
c. 心因性多飲症
d. 中枢性尿崩症
e. 低カリウム血症
肝疾患に対し、肝庇護治療薬であるグリチルリチン製剤(甘草)での治療をされている。
※甘草は肝臓に効くんだよなぁ( *´艸`)
甘草による偽性アルドステロン症→低カリウム血症→腎性尿崩症 の流れ。