72 歳の女性。発熱、咽頭痛および咳嗽を主訴に来院した。
現病歴:2日前から 37 ℃台の発熱、咽頭痛および咳嗽が出現した。風邪をひいたと考え市販の感冒薬を服用したが、内服後6時間程度で再び発熱したため受診した。咳をすると両側のこめかみと腰に軽度の痛みを感じる。腹痛と下痢はない。
既往歴:45 歳時に胆石症と胆囊炎とで手術。60 歳から変形性腰椎症と骨粗鬆症とで総合病院の整形外科を定期受診している。
生活歴:40 歳まで縫製工場で工員、その後 65 歳まで同工場の給食調理。現在は家族の炊事を担当するとともに、地域のボランティア活動などに参加している。 夫、娘夫婦および 11 歳と6 歳の孫の6人家族。喫煙歴はないが夫が喫煙者。飲酒は機会飲酒。ペットは飼っていない。海外渡航歴はない。
現症:意識は清明。身長 154 cm、体重 68 kg。体温 37.3 ℃。脈拍 80/分、整。 血圧 126/62 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 96 %(room air) 。皮膚は軽度に汗ばんで いる。両側の眼瞼結膜と咽頭後壁とに発赤を認める。後鼻漏を認める。両側の下顎角直下のリンパ節に軽度の圧痛を認める。項部硬直を認めない。心音と呼吸音とに 異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。頭頸部、体幹および四肢に皮疹を認めない。両側下腿に軽度の圧痕を残す浮腫を認める。
この患者の鑑別診断において最も有用な質問はどれか。
a. 同居している家族の症状
b. 最後に食事をした時間
c. 食事の味付けの好み
d. 夫の年齢
e. 妊娠歴
いわゆる、風邪である。家族から感染した可能性が高い。
この患者の病態を検討するのに、有用な所見が得られる可能性が高い身体診察は どれか。3つ選べ。
a. 脊椎の叩打痛
b. 甲状腺の触診
c. 四肢の腱反射
d. 副鼻腔の叩打痛
e. 腋窩リンパ節の触診
感染、炎症全般をみる診察を行う。よくわからない。悪問。
この患者への薬物治療を検討するのに有用でない情報はどれか。
a,. 内服可能な剤型
b. 現在内服している薬剤
c. 薬物アレルギーの既往
d. 民間医療保険への加入状況
e. 薬物の処方を希望しているか
日本では、民間医療保険の有無で治療方針を変えたりはしません。
日本の皆保険制度はすごいね。