77歳の男性。食欲不振と腎機能低下のため紹介されて来院した。2週間前から食欲不振が持続している。1か月前の血清クレアチニン値は 1.7 mg/dL であったが、3.0 mg/dL へ上昇したため紹介されて受診した。15 年前から高血圧症、脂質異常症および高尿酸血症のため内服治療中である。10 年前、3年前および1か月前にそれぞれ冠動脈にステント留置術が行われた。
身長 166 cm、体重 68 kg。体温 36.0 ℃。脈拍 64/分、整。血圧 128/70 mmHg。下腿に浮腫と把握痛とを認めない。足背動脈の触知は良好である。左第4、第5趾が暗紫色である。
足関節上腕血圧比の低下を認めない。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 321 万、Hb 10.0 g/dL、Ht 31 %、白血球 11,300 (好中球 70 %、好酸球 12 %、好塩基球 5%、リンパ球 13 %)、血小板 24 万。血液生化学所見:総蛋白 6.0 g/dL、アルブミン 3.2 g/dL、AST 9 U/L、ALT 19 U/L、LD 175 U/L (基準176〜353)、尿素窒素 42 mg/dL、クレアチニン 3.2 mg/dL、尿酸 6.8 mg/dL、HbA1c 6.2 %(基準 4.6〜6.2)、総コレステロール 162 mg/dL、トリグリセリド 150 mg/dL、HDL コレステロール 38 mg/dL。左足の写真及び腹部単純 MRI の水平断像と冠状断像とを別に示す。
診断に最も有用な検査はどれか。
a. 下肢血管造影
b. 残尿量測定
c. 骨髄生検
d. 皮膚生検
e. FDG-PET
コレステロール塞栓症は大血管壁にある粥腫が破綻し、コレステロール結晶が血中に流出し末梢で塞栓をきたす疾患。
経過と矛盾しない。