61歳の男性。腹部膨満感と体重増加とを主訴に来院した。2週間前から腹部の膨満感が出現し体重が 8kg 増加した。これまでに心疾患を指摘されたことはない。

意識は清明。身長 160 cm、体重 69 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 60/分、整。血圧 124/62 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は膨隆し波動を認める。圧痛を認めない。下腿に中等度の浮腫を認める。

尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 348 万、Hb 11.1 g/dL、Ht 34 %、白血球 3,500、血小板 7.0 万、PT-INR 2.0(基準 0.9〜1.1)。血液生化学所見:総蛋白 6.2 g/dL、アルブミン 2.7 g/dL、総ビリルビン 1.3 mg/dL、直接ビリルビン 0.6 mg/dL、AST 31 U/L、ALT 26 U/L、γ-GTP 51 U/L (基準 8〜50)、アンモニア 28 μg/dL (基準 18〜48)、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.1 mEq/L、Cl 101 mEq/L。胸部エックス線写真と心電図とに異常を認めない。

適切な治療はどれか。2つ選べ。

a. 塩分制限

b. 蛋白制限

c. 利尿薬内服

d. ラクツロース内服

e. 副腎皮質ステロイド内服

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)