28歳の女性。妊娠に関する相談のため来院した。3年前から全身性エリテマトーデス<SLE>で自宅近くの医療機関に通院しており、副腎皮質ステロイドの内服で、病状は1年以上前から安定している。近い将来、妊娠を希望しており相談のため紹介されて受診した。体温 36.5 ℃。脈拍 68/分、整。血圧 108/62 mmHg。顔面、体幹および四肢に皮疹を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。下腿浮腫を認めない。

(持参した前医の検査データ)尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:Hb 12.0 g/dL、白血球 4,200、血小板 15 万。血液生化学所見:尿素窒素 10 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL。免疫血清学所見:CRP 0.1 mg/dL、リウマトイド因子<RF> 80 IU/mL (基準 20 未満)、抗核抗体 1,280 倍(基準 20 以下)、抗DNA 抗体(RIA 法) 12 IU/dL(基準 7 以下)、抗 Sm 抗体陽性、抗 RNP 抗体陽性、抗 SS-A 抗体陽性、抗リン脂質抗体陰性、CH50 35 U/mL(基準 30〜40)、C3 84mg/dL(基準 52〜112)、C4 29 mg/dL(基準 16〜51)。診察の結果、妊娠は可能と判断された。

この患者でみられる自己抗体で妊娠の際、胎児に影響を与える可能性があるのはどれか。

a. 抗核抗体

b. 抗 Sm 抗体

c. 抗 RNP 抗体

d. 抗 SS-A 抗体

e. リウマトイド因子<RF>

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)