問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
36歳の初産婦。妊娠29週。胎動減少を主訴に来院した。妊娠初期の血液検査で抗D抗体陽性(抗体価16倍)だったため経過観察されていた。妊娠27週の時点で抗 D 抗体が 1,024 倍であったが胎児超音波検査で異常を認めなかった。16年前、妊娠初期に人工妊娠中絶手術を受けている。輸血歴はない。胎児心拍数陣痛図を別に示す。
対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
a. 母体の血清LD値を調べる。
b. 胎児水腫の有無を確認する。
c. 母体のヘモグロビン値を調べる。
d. 抗D人免疫グロブリンを投与する。
e. 胎児中大脳動脈血流速度を計測する。
血液型不適合妊娠の症例。
胎児心拍数陣痛図ではサイナソイダルパターンを認めており、胎児の貧血が考えられる。また、胎児水腫をきたしている可能性が高い。