問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
救急外来で小児を診察した研修医から指導医への報告を次に示す。
研修医 「2歳の女の子です。5日前から 39 ℃の発熱が持続するため来院しました。2日前に自宅近くの診療所を受診し解熱薬を処方されています。呼吸数 30/分、脈拍 144/分で、診察所見としては咽頭発赤とイチゴ舌があり、体幹に発疹を認めることから溶連菌感染症を疑います」
指導医 「溶連菌感染症は重要な鑑別疾患だね。でも川崎病の可能性はどうかな」
川崎病との鑑別診断のために追加して確認すべきなのはどれか。3つ選べ。
a. 眼球結膜充血
b. 耳下腺の腫脹
c. 頰粘膜の白斑
d. 頸部リンパ節腫脹
e. 手指の腫脹
川崎病の症例である。
【主要症状】
1. 発熱
2. 両側眼球結膜の充血
3. 口唇,口腔所見 : 口唇の紅潮,いちご舌,口腔咽頭粘膜のびまん性発赤
4. 発疹(BCG 接種痕の発赤を含む)
5. 四肢末端の変化:(急性期)手足の硬性浮腫,手掌足底または指趾先端の紅斑(回復期)指先からの膜様落屑
6. 急性期における非化膿性頚部リンパ節腫脹
※6つの主要症状のうち、経過中に5症状以上を呈する場合は、川崎病と診断する。