問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
34 歳の男性。筋のやせを主訴に来院した。5年前から徐々に重いものを持ち上げにくくなってきた。2年前から下肢を高く挙上しづらくなり全身のやせも自覚していたが、仕事に支障がないので気にしなかった。最近、食事の時にむせるようになったため受診した。
意識は清明。身長 178 cm、体重 58 kg。鼻声でこもるような構音障害を認める。舌、顔面および近位部優位で四肢に筋萎縮と顕著な筋線維束性収縮とを認める。両上肢挙上は可能であるが、座位からの起立には上肢の補助が必要である。腱反射は全般に低下している。感覚系、小脳系および自律神経系に異常を認めない。
CK 852 U/L(基準 30〜140)。胸部エックス線写真で異常を認めない。呼吸機能検査で %VC は 72 % である。
診断に有用なのはどれか。
a. 筋生検
b. 頭部 MRI
c. 骨格筋 CT
d. 遺伝子検査
e. 末梢神経伝導検査
球脊髄性筋萎縮症の症例。