問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
62歳の男性。胸部食道癌の術後に人工呼吸から離脱できず、アンピシリンの投与を受けていた。術後3日目の朝、39.1℃の発熱と喀痰増加がみられ、胸部エックス線写真で右下肺野に新たな浸潤影を認めた。血液および喀痰培養を行い抗菌薬を変更したが、術後4日目になっても39 ℃を超える熱が持続している。培養検査の結果はまだ判明していない。
この時点の対応として適切でないのはどれか。
a. 上体を 30 度挙上する。
b. ドレーン排液の性状を確認する。
c. 気管チューブのカフ圧を確認する。
d. 抗菌薬を再度変更する。
e. 創部の状態を確認する。
一般的に抗生剤の効果判定は3日前後で行う。本例では1日しか立っておらず、かつ培養結果も判明していないため、抗生剤を変更する意義は薄い。