問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
48歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。同行した家人によると、3年前からかかりつけ医で2型糖尿病の内服治療を受けている。喫煙歴はないが、毎日缶ビール500 mLを1、2本程度飲むという。昨日は糖尿病の薬を普段通りに内服し、夕食時に缶ビール3本に加えて日本酒2合を飲んで就寝した。朝になっても 起きてこないので家人が様子を見に行ったところ反応がおかしかったので救急車を要請した。
意識レベルは JCSⅡ-20。身長 170 cm、体重 81 kg。体温 35.7 ℃。心拍 数 92/分、整。血圧 156/98 mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 99 %(room air)。家人が持参してきていたお薬手帳を示す。
血糖に加えて、まず確認すべき血液検査項目はどれか。
a. 乳酸
b. ケトン体
c. インスリン
d. アルコール
e. 血清浸透圧
メトホルミンの副作用である乳酸アシドーシスを知っているか問う問題。
a: まずは乳酸を見ましょう。
b: 糖尿病性ケトアシドーシスを疑った場合に測定
c: インスリンの過剰による低血糖を疑った場合に測定
d: アルコールによる意識障害を疑った場合に測定
e: 高浸透圧高血糖症候群を疑った場合に測定
※造影CT撮影前にメトホルミンを一時休薬することも一緒に覚えましょう。腎能低下により乳酸アシドーシスを引き起こす可能性があるため。