問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
83歳の女性。右大腿骨頸部骨折のため手術を受けた。手術当日の夜は意識清明であったが、手術翌日の夜間に、死別した夫の食事を作るために帰宅したいなど、つじつまの合わない言動が出現した。これまで認知症を指摘されたことはない。
この病態について正しいのはどれか。
a. 生命予後は悪化しない。
b. 抗精神病薬は禁忌である。
c. 認知症の初発症状である。
d. 意識の混濁が短時間で変動する。
e. ベンゾジアゼピン系薬剤が適応である。
術後せん妄についての問題。
a :リハビリの遅延や、点滴抜去等による適切な医療ができないことによる予後の悪化を認める。
b: よい治療薬
c: 認知症であることは、せん妄のリスクであるが、初発症状ではない。せん妄はあくまで意識障害の一種。
d: 変動する。
e: 適応ではない。ベンゾジアゼピン系で、無理やり眠らせれば、せん妄は落ち着くだろうが…