68歳の男性。発熱と皮疹とを主訴に来院した。5日前から持続する 38 ℃台の発熱と顔面、頸部および体幹を中心に紅斑が出現し、次第に拡大融合したために受診した。三叉神経痛に対し6週間前からカルバマゼピンを内服中であった。

体温 38.6 ℃。脈拍 88/分、整。血圧 140/86 mmHg。口腔粘膜と咽頭とに異常を認めなかった。頸部と鼠径部とに径2cm のリンパ節を2個ずつ触知した。肝・脾は触知しなかった。

血液所見:赤血球 420 万、Hb 14.0 g/dL、Ht 43 %、白血球 16,000(桿状核好中球7%、分葉核好中球 49 %、好酸球 23 %、単球 6 %、リンパ球 12 %、異型リンパ球 3 %)、血小板 34 万。血液生化学所見:総ビリルビン 1.0 mg/dL、AST 110 U/L、ALT 345 U/L、γ-GTP 250 U/L(基準8〜50)、クレアチニン 1.2 mg/dL。免疫血清学所見:CRP 3.1 mg/dL、VCA-IgG 抗体陰性、抗 EBNA 抗体陰性、抗ヒトヘルペスウイルス 6 IgG 抗体価 20 倍(基準 10 以下)。体幹部の写真を示す。3週間後の採血で、抗ヒトヘルペスウイルス6 IgG 抗体価は 1,280 倍であった。

最も考えられるのはどれか。

a. 麻疹

b. 伝染性紅斑

c. 伝染性単核球症

d. 中毒性表皮壊死症

e. 薬剤性過敏症症候群

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)