問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
66歳の男性。両下腿の浮腫と体重増加とを主訴に来院した。10年以上前に糖尿病と診断され治療を受けていたが、最近は医療機関を受診していなかった。3か月前に両下腿の浮腫が出現し浮腫の増悪と4kg の体重増加とを自覚したために受診した。腎疾患の家族歴はない。
身長 165 cm、体重 75 kg。脈拍 76/分、整。血圧 138/72 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、血管雑音を聴取しない。顔面および下腿に圧痕性の浮腫を認める。
尿所見:蛋白 4+、潜血(-)、尿蛋白 4.2 g/日。血液所見:赤血球 380 万、Hb 12.0 g/dL、Ht 38 %、白血球 8,800、血小板 24 万。血液生化学所見:総蛋白 5.8 g/dL、アルブミン 2.6 g/dL、尿素窒素 25 mg/dL、クレアチニン 1.8 mg/dL、尿酸 6.8 mg/dL、HbA1c 7.2 %(基準 4.6〜6.2)、総コレステロール 280 mg/dL。
蛋白尿の原因として考えられるのはどれか。2つ選べ。
a. 膜性腎症
b. 糖尿病腎症
c. Alport 症候群
d. 腎血管性高血圧症
e. 尿酸腎症<痛風腎>
c Alport症候群 高齢初発は考えにくい。末期腎不全到達平均年齢は25歳ほど
d 高血圧ではない
e 尿酸は高くない