74歳の男性。全身倦怠感と食欲低下の精査で指摘された胃癌の手術のため入院した。

現病歴:2か月前から全身倦怠感を自覚していた。1か月半前から食欲低下があり、3週間前から腹部膨満感が出現したため、かかりつけ医から紹介されて受診した。上部内視鏡検査で幽門部に腫瘍病変と幽門狭窄とを指摘され、胃癌の確定診断を得たために手術を目的に入院した。昨夜嘔吐した後から咳嗽が続いている。

既往歴:60 歳時に職場の健康診断で耐糖能異常を指摘され、スルホニル尿素薬で内服治療中である。

生活歴:喫煙は 15 本/日を 50 年間。飲酒は週2回程度。

家族歴:父親が肺癌のため 70 歳で死亡。

現症:身長 170 cm、体重 83 kg。体温 37.8 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 140/76 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96 %(room air)。眼瞼結膜は軽度貧血様であり、眼球結膜に黄染を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は右胸背部に rhonchi を聴取する。上腹部は膨隆しているが、軟で、波動を認めない。圧痛と筋性防御とを認めない。四肢の運動麻痺は認めない。

検査所見 : 血液所見:赤血球 334 万、Hb 9.2 g/dL、Ht 29 %、白血球 10,500(桿状核好中球 10 %、分葉核好中球 64 %、好酸球 2%、好塩基球 1%、単球 3%、リンパ球 20 %)、血小板 26 万。血液生化学所見:総蛋白 6.2 g/dL、アルブミン 2.9 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 28 U/L、ALT 25 U/L、LD 145 U/L(基準 176〜353)、ALP 206 U/L (基準 115〜359)、尿素窒素 24 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、血糖 128 mg/dL、HbA1c 7.9 %(基準 4.6〜6.2)、総コレステロール 156 mg/dL、トリグリセリド 196 mg/dL、Na 133 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 96 mEq/L。CRP 3.4 mg/dL。胸部エックス線写真で右下肺野に浸潤影を認める。


手術は患者の状態が安定するまで延期することにした。この患者に安全に手術を行うために、入院後手術までの間に行うべきなのはどれか。

a. 輸血

b. 胃瘻の造設

c. 経口補液の投与

d. 抗菌薬の経静脈投与

e. スルホニル尿素薬の増量

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患者の状態が安定したため、入院 10 日目に腹腔鏡下の幽門側胃切除術を施行することにした。

この手術に助手として参加する際に正しいのはどれか。

a. 手指消毒には滅菌水が必要である。

b. 滅菌手袋は手指消毒の後に装着する。

c. 滅菌された帽子(キャップ)を着用する。

d. 流水で 10 分以上手指の擦り洗いを行う。

e. 腹腔鏡下手術では、清潔ガウンを着用しない。

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