67 歳の男性。昨日の昼から尿がほとんど出ていないため来院した。
現病歴:3か月前から昼夜ともに頻尿があり、2か月前から1回尿量の減少と排尿後の残尿感があった。昨日の昼から尿が出ず、下腹部が張ってきたため受診した。体調不良のため、一昨日の夕食後から市販薬を服用している。他の医療機関は受診していない。
既往歴:特記すべきことはない。
家族歴:父親が糖尿病。
生活歴:喫煙は 20 本/日を 40 年間。飲酒は機会飲酒。
現症:意識は清明。体温 35.7 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 158/82 mmHg。頭頸部と胸部とに異常を認めない。腹部は下腹部が膨隆しておりやや硬く、軽度の圧痛を認める。直腸指診で鶏卵大で弾性軟の前立腺を触知し、圧痛を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白1+、糖2+、潜血1+、沈渣に赤血球1〜5/1視野、白血球5〜10/1視野。血液所見:赤血球 478 万、Hb 14.1 g/dL、Ht 46 %、白血球 7,800、血小板 35 万。血液生化学所見:尿素窒素 21 mg/dL、クレアチニン 1.3 mg/dL、Na 141 mEq/L、K 4.5 mEq/L、Cl 103 mEq/L。CRP 0.5 mg/dL。
市販の薬剤による症状の可能性を考えた場合に適切な質問はどれか。
a. 「胃薬を飲みましたか」
b. 「風邪薬を飲みましたか」
c. 「睡眠薬を飲みましたか」
d. 「痛み止めを飲みましたか」
e. 「ビタミン薬を飲みましたか」
前立腺肥大の患者が、抗コリン作用のある風邪薬(PL顆粒とか)内服により尿閉となってしまった症例。
この患者の病態に関与している部位はどれか。
a. 腎動脈
b. 腎臓
c. 尿管
d. 膀胱
e. 前立腺
前立腺肥大症の症例。