29歳の女性。頭痛を主訴に来院した。2年前に手指の腫脹、皮膚硬化を自覚し、自宅近くの医療機関で精査を受けた結果、全身性強皮症と診断された。プレドニゾロン20mg/日を開始され、手指の腫脹と硬化は軽快した。プレドニゾロンは漸減され、5mg/日で維持されていたが、3か月前に皮膚硬化の増悪を認めたため、10mg/日に増量されていた。昨日から頭痛を自覚したため受診した。

体温 36.7 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 172/108 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。圧痛を認めない。両手指、前腕部および前胸部に皮膚硬化を認める。下腿に浮腫を認めない。

血液所見:赤血球 343 万、Hb 10.5 g/dL、Ht 32 %、白血球 11,200(桿状核好中球 32 %、分葉核好中球 45 %、好酸球 1%、好塩基球 0%、単球 5%、リンパ球 17 %)、血小板 43 万。血液生化学所見:尿素窒素 45 mg/dL、クレアチニン 1.5 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 108 mEq/L。抗 RNA ポリメラーゼⅢ抗体陽性。

まず行うべきなのはどれか。

a. 緊急透析

b. 皮膚生検

c. α 遮断薬投与

d. ステロイドパルス療法

e. アンジオテンシン変換酵素<ACE>阻害薬投与

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)