70歳の女性。発熱と右季肋部痛を主訴に来院した。6か月前に急性冠症候群に対して経皮的冠動脈形成術(ステント留置術)を受け、抗血小板薬を2種類服用している。1週間前から右季肋部に鈍痛を自覚していた。本日就寝前に発熱と右季肋部に強い痛みが出現したため救急外来を受診した。
意識は清明。体温 38.4 ℃。脈拍 88/分、整。血圧 142/92 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96 %(room air)。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。右季肋部から心窩部に圧痛を認める。筋性防御を認めない。
血液所見:赤血球 398 万、Hb 12.5 g/dL、Ht 40 %、白血球 15,300、血小板 21 万。血液生化学所見:総蛋白 6.9 g/dL、アルブミン 3.7 g/dL、総ビリルビン 4.9 mg/dL、直接ビリルビン 3.9 mg/dL、AST 282 U/L、ALT 164 U/L、LD 478 U/L 基 準 176〜353 、ALP 849 U/L 基 準 115〜359 、γ-GTP 632 U/L (基準 8〜50)、アミラーゼ 210 U/L (基準 37〜160)、クレアチニン 0.8 mg/dL、血糖 99 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 99 mEq/L。CRP 10 mg/dL。腹部造影 CT の水平断像及び冠状断像を別に示す。
まず行うべきなのはどれか。
a. 胆囊摘出術
b. 経皮経肝胆道ドレナージ
c. 内視鏡的胆道ドレナージ
d. 内視鏡的乳頭括約筋切開術
e. 体外衝撃波結石破砕術<ESWL>
総胆管結石による急性胆管炎&閉塞性黄疸の症例。
抗血小板薬2剤療法(DAPT)されているので出血を伴う処置は避ける。