問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
66歳の女性。下腿の浮腫を主訴に来院した。2年前に関節リウマチと診断された。発症時には朝のこわばりが昼過ぎまで続き家事にも支障があったが、現在はプレドニゾロンとブシラミンの内服治療で症状はほとんどない。1か月前から顔と両下腿の浮腫を自覚し、体重が2kg 増加したため受診した。今まで尿所見に異常は認められなかった。家族歴で父方祖母に関節リウマチがあるが、腎疾患はない。
身長 160 cm、体重 55 kg。脈拍 72/分、整。血圧 154/80 mmHg。呼吸数 12/分。頭頸部と胸腹部に異常を認めない。両下腿に圧痕を残す浮腫を認める。関節の圧痛、腫脹、変形を認めない。
尿所見:蛋白 3+、糖 (-) 、潜血 (-)、沈渣に変形赤血球 2〜3/HPF を認める。随時尿の尿蛋白/クレアチニン比は 1.5 g/g クレアチニン (基準 0.15 未満)。血液所見:赤血球 395 万、Hb 13.2 g/dL、Ht 40 %、白血球 7,800、血小板 10 万。血液生化学所見:総蛋白 6.2 g/dL、アルブミン 3.5 g/dL、尿素窒素 13 mg/dL、クレアチニン 0.5 mg/dL。CRP 0.2 mg/dL。腹部超音波検査で腎臓に異常を認めない。
対応として最も適切なのはどれか。
a. 腎生検を行う。
b. NSAIDs を開始する。
c. ブシラミンを増量する。
d. 生物学的製剤を開始する。
e. プレドニゾロンを減量する。