64歳の男性。ろれつの回りにくさと体重減少を主訴に来院した。半年前から話しにくさを自覚しており、同僚からも声が小さくて聞き取りにくいと指摘されるようになった。2か月前から食事に時間がかかるようになり、2か月間で体重が5kg減少している。1か月前からは両手指の脱力で箸が使いづらく、階段昇降も困難になってきたため受診した。

意識は清明。眼球運動に制限はなく顔面の感覚には異常を認めないが、咬筋および口輪筋の筋力低下を認め、舌に萎縮と線維束性収縮を認める。四肢は遠位部優位に軽度の筋萎縮および中等度の筋力低下を認め、前胸部、左上腕および両側大腿部に線維束性収縮を認める。腱反射は全般に亢進しており、偽性の足間代を両側性に認める。Babinski 徴候は両側陽性。四肢および体幹には感覚障害を認めない。

血液生化学所見:総蛋白 5.8 g/dL、アルブミン 3.5 g/dL、尿素窒素 11 mg/dL、クレアチニン 0.4 mg/dL、血糖 85 mg/dL、HbA1c 4.5 % (基準 4.6〜6.2) 、CK 182 U/L (基準 30〜140)。動脈血ガス分析(room air):pH 7.38、PaCO2 45 Torr、PaO2 78 Torr、HCO3- 23 mEq/L。呼吸機能検査:%VC 62 %。末梢神経伝導検査に異常を認めない。針筋電図では僧帽筋、第1背側骨間筋および大腿四頭筋に安静時での線維自発電位と陽性鋭波、筋収縮時には高振幅電位を認める。頸椎エックス線写真および頭部単純 MRI に異常を認めない。嚥下造影検査で造影剤の梨状窩への貯留と軽度の気道内流入とを認める。

この時点でまず検討すべきなのはどれか。

a. 胃瘻造設

b. 気管切開

c. モルヒネ内服

d. エダラボン静注

e. リルゾール内服

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