75歳の男性。胃癌の手術後に在宅療養を行っている。3年前に胃癌で胃全摘術を受けた。1年前に腹膜播腫、肺および肝転移を診断されたが、抗癌化学療法は選択しなかった。訪問診療で経過は安定していたが、2週間前から食欲不振が出現し、在宅で1日 1,700 mL の維持輸液が開始された。その後徐々に床上で過ごすことが多くなり、昨日から呼吸困難を訴えるようになった。排尿は 1日 4、5回で、1回尿量 100 mL 程度である。妻と長男夫婦との4人暮らしで、患者本人と家族は自宅での療養の継続を希望している。

身長 165 cm、体重 43 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 118/76 mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96 %(room air)。両側胸部に coarse crackles と軽度の wheezes を聴取する。上腹部に径 3cm の腫瘤を触知するが圧痛はない。両下腿に著明な浮腫を認める。

血液所見 ( 2週間前):赤血球 308 万、Hb 7.4 g/dL、Ht 28 %、白血球 10,300、血小板 18 万。血液生化学所見 (2週間前):総蛋白 5.8 g/dL、アルブミン 2.3 g/dL、尿素窒素 26 mg/dL、クレアチニン 1.3 mg/dL、血糖 89 mg/dL、Na 134 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 95 mEq/L。

まず行うべきなのはどれか。

a. 嚥下訓練

b. 酸素投与

c. 輸液の減量

d. 緊急血液透析

e. 緩和ケア病棟の紹介

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)