人生の最終段階における医療およびケアの意思決定について適切なのはどれか。
WHO方式がん性疼痛治療法段(3階除痛ラダー)について正しいのはどれか。
がんの終末期で在宅医療と介護を受けている患者のQOLについて正しいのはどれか。
乳癌の再発で、余命が1年以内であるという内容の告知を受けた入院患者が死にたいと訴えた。医師の対応で最も適切なのはどれか。
四肢の転移性骨腫瘍に対する放射線治療で最も期待される効果はどれか。
DNAR指示について正しいのはどれか。
終末期における意思決定のプロセスについて正しいのはどれか。
76歳の男性。血痰と腰痛を主訴に来院した。1か月前から腰痛が出現し次第に増強し、3日前から喀痰に血液が混じるため受診した。喫煙は74歳まで20本/日を54年間。意識は清明。身長165cm、体重56kg。体温36.2℃。脈拍76/分、整。血圧140/76mmHg。呼吸数16/分。SpO₂ 97%(room air)。食欲は良好。血液所見:赤血球420万、Hb 12.8g/dL、Ht…
65歳の女性。腹痛を主訴として家族とともに緩和ケア外来を受診した。1年前に進行膵癌の診断で膵体尾部切除術を受け、1か月前から腹痛が出現した。局所再発、肝転移および腹膜播腫を認め、予後は2か月程度と考えられる。医師が患者に根治は困難であることを伝えた。患者は流涙したまましばらく沈黙が続いた。その後、医師が「お話を続けてもよろしいでしょうか」と声をかけると患者は頷いた。…
終末期がん患者のケアについて正しいのはどれか。2つ選べ。
45歳の女性。腹部膨満感と胆汁様消化液の嘔吐とを主訴に来院した。2か月前に胃癌による癌性腹膜炎と診断され、本人と家族とに数か月の予後と告知されていた。2週前から腹痛に対しオピオイドが投与されており、1週前から排便や排ガスがなくなり、時々、胆汁様消化液の嘔吐がある。るいそうが目立ち、腹部は膨満し、腸雑音が減弱している。腹部エックス線写真で小腸ガスを伴う腸管拡張像が観察され、大腸のガス像を認めない。治…
69歳の男性。全身倦怠感と食欲不振とを主訴に来院した。2年前に進行胃癌のため胃全摘術を受けた。その後受診をしなかったが、3か月前から倦怠感を自覚し、最近食欲不振が増強して食事摂取量が平常時の1/3以下となったため、不安になり受診した。身長170cm、体重45kg。体温36.2℃。脈拍80/分、整。血圧130/70mmHg。呼吸数14/分。胸部エックス線写真で多発肺転移を認め、腹部CT及び超音波検査…
84歳の男性。体重減少を主訴に来院した。妻と長男の3人暮らし。検査の結果、大腸を原発とする悪性腫瘍で遠隔転移を認めた。原発巣、転移巣ともに手術による切除は不可能である。本人は告知を望んでいるが、薬物による抗癌治療は望んでいない。長男は告知も積極的治療も望んでいない。主治医は薬物による抗がん治療を行いたいと考えている。認知機能は改訂長谷川式簡易知能評価スケールで22点(30点満点)。…
78 歳の男性。食欲不振、体重減少と全身倦怠感を主訴に来院した。2年前に膵頭部癌で切除術を受けたが、1年前に肝と肺への多発転移を指摘された。本人および家族ともにこれ以上の抗癌治療を望まず、通院していなかったという。1か月前から食欲不振と5kg の体重減少をきたし、1週前から全身倦怠感も認めるようになったため再度受診した。痛や不眠を認めない。身長 167 cm、体重 38 kg。体温36.0…
85歳の女性。肝門部胆管癌で数か月の余命と告知されている。本人の希望で在宅医療を行っており、疼痛に対するコントロールは十分に行われている。ある日、訪問した在宅医に「家族に迷惑がかかるから入院したい」と本人が告げた。在宅医の対応として適切でないのはどれか。
82歳の男性。胃癌の終末期のため自宅で最期を迎えたいという本人と家族の意向に従って在宅で緩和医療を受けていた。前日の主治医による診察時には傾眠状態であり、かろうじて呼名に反応がみられた。今朝、妻から「息をしていないようだ」と訪問看護ステーションに連絡があり、主治医が看護師とともに自宅を訪問した。呼吸は停止しており、心拍は確認できない。対光反射はなく瞳孔は散大している。他の身体所見に不審な点は認めな…
82歳の女性。悪心と骨盤の痛みとを主訴に来院した。2年前に骨病変を伴う多 発性骨髄腫と診断された。抗癌化学療法とビスホスホネート製剤の投与とを受けていたが治療抵抗性となり、3か月前に抗癌化学療法は中止した。その後、多発性骨髄腫による骨盤の痛みが生じたため、局所放射線照射を行ったが除痛効果は一時的であり、モルヒネの内服を開始した。当初、痛みは良好にコントロールされていた…
88歳の男性。長年の喫煙に起因する慢性閉塞性肺疾患と弁膜症による重症の呼吸不全および心不全のため入院した。疾患自体の改善は難しく、呼吸の苦しさや体幹のだるさなどの苦痛の訴えが強く、本人は緩和ケアを望んでいる。妻と二人暮らしで長男が近所に住んでおり家族関係は良好である。この患者に緩和ケアを行うにあたり、対応として誤っているのはどれか。
75歳の男性。胃癌の手術後に在宅療養を行っている。3年前に胃癌で胃全摘術を受けた。1年前に腹膜播腫、肺および肝転移を診断されたが、抗癌化学療法は選択しなかった。訪問診療で経過は安定していたが、2週間前から食欲不振が出現し、在宅で1日 1,700 mL の維持輸液が開始された。その後徐々に床上で過ごすことが多くなり、昨日から呼吸困難を訴えるようになった。排尿は 1日 4、5回で、1回尿量 100…
66歳の男性。5年前から前立腺癌で治療中である。半年前に腰椎と右肋骨に転移が確認され、最近、腰痛を自覚するようになった。疼痛以外の自覚症状はない。疼痛緩和のために、まず投与すべきなのはどれか。
70歳の女性。腰背部痛を主訴に来院した。1年前に右乳癌で乳房切除術を受けたが、その後肝、肺および腰椎に転移が認められていた。薬物による抗癌治療を選択せず、通院せずに自宅での療養を希望した。1か月前から右腰背部に鈍痛を自覚し、1週前から増強するために受診した。疼痛に対しNSAIDの投与が開始されたが、疼痛で眠れないため、本日受診時に硫酸モルヒネの投与が追加された。今後注意すべき症状に含まれないのはど…
77歳の女性。持続性の上腹部痛を主訴に来院した。3か月前から食欲不振を認め、精査の結果、胃癌とその肝転移であると診断された。抗癌化学療法などの積極的な治療を希望せず、経過観察することとなった。3週間前から上腹部痛が出現し、次第に増強した。外来で非ステロイド性抗炎症薬が投与され一時的に疼痛は軽減したが、2日前から再び増悪したため受診した。疼痛コントロール目的でオピオイドの投与を開始することとなった。…
66歳の女性。後頸部痛の増強と左上肢のしびれとを主訴に来院した。進行肺腺癌に対して外来で抗癌化学療法を施行している。以前から頸胸椎転移による後頸部痛があり、抗癌化学療法と併行してアセトアミノフェンとオキシコドンによる疼痛治療を受けていた。良好な疼痛緩和が得られていたが、2週間前に後頸部痛の増強 と新たに左上肢のしびれが出現し、睡眠も妨げられるようになったため受診した。…
78歳の男性。背部痛、食欲不振と体重減少を主訴に来院した。3か月前から時々食後の背部痛を自覚していた。最近になり食後頻回に背部痛を認め、痛みは鈍痛で時に持続して眠れないことがあった。食欲も徐々に減衰した。体重は6か月で7kg 減少し、起き上がれないこともあるため受診した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙は 20 本/日を 40 年間。飲酒は日本酒 2合/日を 40 年間。80…
58歳の女性。血痰を主訴に来院した。現病歴:数年前から咳嗽、喀痰および労作時呼吸困難を自覚していたが、喫煙習慣が原因と自己判断し受診はしていなかった。数日前から喀痰に鮮血が混じるようになったため受診した。既往歴:20 歳時に交通事故による右膝蓋骨骨折の手術を受けた。生活歴:喫煙は 20 歳から 55 歳まで 40 本/日。飲酒は機会飲酒。家族歴:特記すべきことはない。現症:身長 153 cm、体重…