40歳の女性。動悸を主訴に来院した。
現病歴:2か月前から動悸を自覚している。当初は、買い物などで荷物を持って5分ほど歩くと動悸を感じていた。10日前から①家事で少し動いても動悸を感じるようになった。友人に話したところ、②病院を受診した方が良いと言われた。③動悸の性状は、脈が速くなる感じである。症状は徐々に強くなっていて、このままだとさらに悪化するのではないかと思っている。④父が脳梗塞になり、心臓の病気が原因と聞いていた。⑤自分が寝たきりになると家事が十分できなくなるため、心臓の病気を心配している。その他、軟便がある。また、以前より暑がりになった。体重は最近2か月で3kg 減少した。
既往歴:特になし。職場の健診で心電図異常を指摘されたことはない。
生活歴:夫と小学生の娘との3人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は週1回ビール350 mL/日を10年間。仕事は事務職。
家族歴:父親が高血圧症、脳梗塞。母親が脂質異常症。
月経歴:初経 13 歳。周期 28 日型、整。
解釈モデルを示しているのは下線のうちどれか。
a. ①
b. ②
c. ③
d. ④
e. ⑤
解釈モデルというのは、その人が治療や検査などの医療行為をどのように理解しているかということである。
現症:意識は清明。身長 160 cm、体重 52 kg。体温 37.1 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 128/66 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 97 %(room air)。瞳孔径は両側 3.5 mm で、対光反射に異常を認めない。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。びまん性の甲状腺腫大を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
身体診察で認められることが予想されるのはどれか。
a. 多毛
b. ばち指
c. 手指振戦
d. 眼瞼下垂
e. 頸部リンパ節腫大
甲状腺ホルモン過剰による症状を考える。