72歳の男性。膵癌手術後に通院中である。現病歴:6か月前に膵癌の手術を受けた。術後6か月検査の結果、他臓器に転移が見つかり、余命3か月との告知を受けた。

既往歴:60 歳から高血圧症、62 歳から脂質異常症で内服治療中。

生活歴:喫煙は 20 歳から 20 本/日。飲酒は機会飲酒。息子夫婦と同居している。

家族歴:父が高血圧症、心筋梗塞。

現症:意識は清明。身長 165 cm、体重 48 kg。体温 36.8 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 134/74 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 98 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部正中に手術痕を認める。


患者は主治医に「先生、もうこれからどうしていいかわからないよ」と訴えた。

医師の応答として適切なのはどれか。

a. 「私もわからないですよ」

b. 「現実を受け止めてください」

c. 「もう少ししっかりしてください」

d. 「ご近所の医療機関に変わってください」

e. 「そうですね。今後のことは一緒に考えましょう」

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主治医は膵癌に対する支持療法 X のランダム化比較試験の研究報告を見つけた。支持療法 X の介入群(A群)と対照群(B群)との比較を別に示す。

正しいのはどれか。

a. A 群の6か月での生存率は約 60 % である。

b. B 群の2か月での生存率は約 90 % である。

c. A 群の生存期間の中央値は約2か月である。

d. B 群の生存期間の中央値は約3か月である。

e. 支持療法 X には延命効果があるといえる。

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)