72歳の女性。下腹部痛と血便のため救急外来を受診した。本日就寝前に急激な下腹部痛と下痢が出現した。数回の下痢に続いて鮮紅色の血便が出現したため受診した。20 年前から糖尿病と高血圧症で自宅近くの診療所に通院している。

意識は清明。体温 37.2 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 142/92 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96 % (room air)。腹部は平坦で、左下腹部に自発痛と圧痛を認める。筋性防御を認めない。

血液所見:赤血球 380 万、Hb 11.4 g/dL、Ht 39 %、白血球 11,200 (桿状核好中球 4 %、分葉核好中球 55 %、好酸球 2 %、単球 7 %、リンパ球 32 %)、血小板 23 万。血液生化学所見:総蛋白 6.9 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 24 U/L、ALT 27 U/L、LD 267 U/L (基準 176〜353)、アミラーゼ 60 U/L 基準 37〜160 、尿素窒素 21 mg/dL、クレアチニン 1.1 mg/dL、尿酸 6.6 mg/dL、血糖 138 mg/dL、HbA1c 6.9 % (基準 4.6〜6.2)、Na 141 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 99 mEq/L。CRP 2.1 mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.41、PaCO2 36 Torr、PaO2 90 Torr、HCO3- 24 mEq/L。

最も考えられる疾患はどれか。

a. 虚血性腸炎

b. 薬物性腸炎

c. 肛門周囲膿瘍

d. 好酸球性胃腸炎

e. 上腸間膜動脈閉塞症

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)