62歳の女性。呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。数日前から風邪気味で、昨日から動くと息苦しいと訴えていた。今朝息苦しさが強くなったため家族が救急車を要請した。

意識は清明。体温 38.5 ℃。心拍数 120/分、整。血圧 86/46 mmHg。呼吸数 28/分。SpO2 88 % (リザーバー付マスク 10 L/分酸素投与下)。心雑音はないが、心音は奔馬調律である。全胸部に coarse crackles を聴取する。胸部エックス線写真で右下肺野を優位とする両肺野浸潤影を認めた。気管挿管後ICUに入室し人工呼吸を開始した。

血液所見:赤血球 345 万、Hb 11.4 g/dL、Ht 34 %、白血球 12,800、血小板 23 万。血液生化学所見:総蛋白 5.9 g/dL、アルブミン 2.8 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 283 U/L、ALT 190 U/L、LD 392 U/L (基準 176〜353)、尿素窒素 13 mg/dL、クレアチニン 0.3 mg/dL、CK 439 U/L (基準 30〜140)、脳性ナトリウム利尿ペプチド<BNP>1,728 pg/mL (基準 18.4 以下)。CRP 2.0 mg/dL。12誘導心電図で前胸部誘導に陰性 T 波を認める。心エコー検査で左室はびまん性に壁運動が低下し、左室駆出率は 30 %。血行動態を把握するため肺動脈カテーテルを挿入した。

この患者の測定値と考えられるのはどれか。

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)