問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
13歳の女子。徐々に悪化する左前腕痛と左手指のしびれを主訴に来院した。2日前に高さ 1.5 m の飛び箱から落下した際に、床に左手をついて受傷し、同日、救急車で搬入された。左前腕骨開放骨折と診断され、緊急で骨折に対する観血的整復内固定術を受けた。手術翌日に退院したが、深夜になり前腕の疼痛が悪化し、手指のしびれが出現したため、午後 11 時に救急外来を受診した。
既往歴、生活歴および家族歴に特記すべきことはない。救急外来受診時の患肢の外観写真及びエックス線写真を別に示す。
この患者に対する治療が翌朝以降に遅れることで生じるのはどれか。
a. 手袋状感覚脱失
b. Volkmann 拘縮
c. 異所性骨化
d. 偽関節
e. 骨壊死
前腕のコンパートメント症候群のこと