問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
24歳の女性。月経1日目の下腹部痛を主訴に来院した。5年前から月経時に腹痛がある。痛みの程度と持続日数は月経ごとに異なっている。本日朝から月経が始まり、通勤中の電車内でこれまでになく下腹部痛が強くなったので途中下車して来院した。月経周期は 28 日型、整。下痢や嘔吐は認めない。
意識は清明。身長 160 cm、体重 52 kg。体温 36.6 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 118/72 mmHg。呼吸数 20/分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。内診で子宮に腫大を認めない。Douglas 窩に硬結を触知しない。
血液所見:赤血球 362 万、Hb 11.2 g/dL、Ht 37 %、白血球 5,600、血小板 21 万。CRP 0.1 mg/dL。妊娠反応陰性。超音波検査で卵巣に異常を認めず、Douglas 窩に液体貯留を認めない。
最も考えられるのはどれか。
a. 卵管炎
b. 黄体出血
c. 子宮内膜症
d. 卵巣腫瘍茎捻転
e. 機能性月経困難症
器質的疾患は認めていないため上記を考える。