問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
63歳の男性。下腿の浮腫を主訴に来院した。12年前に糖尿病と診断され、自宅近くの診療所で経口糖尿病薬を処方されている。2年前から尿蛋白を指摘されている。1か月前から夕方になると顔面および両下腿に浮腫が出現するのが気になり受診した。
身長 170 cm、体重 78 kg。脈拍 68/分、整。血圧 168/92 mmHg。顔面と両側脛骨前面に軽度の圧痕性浮腫を認める。
尿所見:蛋白 3+、糖 (-) 、潜血 (-) 。血液所見:赤血球 425 万、Hb 13.0 g/dL、Ht 39 %、白血球 6,700、血小板24 万。血液生化学所見:アルブミン 3.8 g/dL、尿素窒素 28 mg/dL、クレアチニン 1.6 mg/dL、eGFR 40 mL/分/1.73 m2。血糖 114 mg/dL、HbA1c 6.8 % (基準 4.6〜6.2)。24 時間蓄尿検査:尿量 1,600 mL/日、蛋白 2.4 g/日、クレアチニン 1.24 g/日、Na 5.6 g/日、Cl 8.9 g/日。
この患者で正しいのはどれか。
a. 食塩摂取量は適正である。
b. G 期の慢性腎臓病である。
c. ネフローゼ症候群を呈している。
d. 副腎皮質ステロイドが有効である。
e. 今後の進行性腎機能低下が予想される。
糖尿病性腎症の症例