新しい薬剤Aの有効性を検証するためにランダム化比較試験<RCT>を行った。事前に行った症例数計算から得られた数の症例に対し、薬剤A又は標準治療薬をランダムに割り付けた。投薬は二重盲検で行い、死亡をエンドポイントにした研究期間終了後、生存曲線を Kaplan-Meier 法で作成し、intention to treat<ITT>による生存解析を行った。
手法と目的の組合せで正しいのはどれか。
a. 症例数計算 ― 選択バイアスの防止
b. ランダム割付 ― 再現性の向上
c. 二重盲検 ― 情報バイアスの防止
d. Kaplan-Meier 法 ― 交絡因子の補正
e. ITT ― 外的妥当性の担保
a. 症例数計算 ― 選択バイアスの防止:誤り。
症例数計算は選択バイアスを防ぐためではなく、研究が統計的な意義を持つために必要な最小限の症例数を決定するために行われる。
b. ランダム割付 ― 再現性の向上:誤り。
ランダム割付は再現性の向上ではなく、選択バイアスを防ぎ、治療群と対照群が比較可能であることを保証するために行われる。
c. 二重盲検 ― 情報バイアスの防止:正解。
二重盲検法は、研究者や参加者がどちらが治療薬でどちらが対照薬であるかを知らないようにすることで、情報バイアスや主観的な影響を防止する。
d. Kaplan-Meier 法 ― 交絡因子の補正:誤り。
Kaplan-Meier 法は生存曲線を作成するために使用され、交絡因子の補正には直接関与しない。。この方法は、時間とともにイベント(この場合は死亡)が発生する確率を推定するためのもの。
e. ITT ― 外的妥当性の担保:誤り。
ITT分析は、ランダム化された患者を、彼らが割り当てられたグループで分析することにより、研究の結果が実際の臨床実践にどのように適用可能かについての妥当性を高める。しかし、この目的は主にランダム化された治療割り当てに従った分析の厳密性を保つことにあり、外的妥当性よりもむしろ研究の内的妥当性を保証するために用いられる。