問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
70歳の女性。胸背部痛のため救急車で搬入された。自宅で家事中に突然、胸背部痛を訴え、その後意識が低下したため夫が救急車を要請した。健診で血圧が高いと指摘されたことがある。ADLは自立しており、発症前の状態はいつもと変わりなかった。
搬入時、意識レベルは JCSⅢ-100。心拍数 100/分、整。上肢の血圧は計測不能。下肢の血圧は 70 mmHg 触診 。呼吸数 30/分。SpO2 計測不能。頸静脈の怒張を認める。橈骨動脈は両側とも微弱にしか触知しないが、両側頸動脈と両側大腿動脈は触知する。胸部聴診でⅠ音とⅡ音が減弱している。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に網状皮斑を認める。
最も優先される検査はどれか。
a. 下肢静脈超音波検査
b. 心エコー検査
c. 胸椎 MRI
d. 頭部 CT
e. 胸部 CT
大動脈解離の症例。心タンポナーデも疑われる。