問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
3歳の男児。5日前から右の眼瞼下垂が出現し、次第に目立ってきたため、祖母に連れられて受診した。1年前の写真では両側とも眼瞼下垂はなかった。外傷の既往はない。
意識は清明で、活発に走り回っている。右優位の両側眼瞼下垂を認めるが、祖母によると朝は目立たず、夜になると悪化するという。嚥下に問題はない。四肢の筋萎縮はなく、腱反射は正常である。視力は右0.8(1.2×+1.0D)、左0.7(1.2×+1.0D)で乱視は認めず、眼球運動にも異常を認めない。
診断に有用なのはどれか。
a. 脳波
b. 脳脊髄液検査
c. ポリソムノグラフィ
d. 聴性脳幹反応〈ABR〉
e. エドロホニウムテスト
重症筋無力症患者に対する検査の問題。
エドロホニウムを投与するとシナプス間隙のアセチルコリン濃度が上昇するので、重症筋無力症患者は筋力増強を自覚する。