問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
33歳の男性。下痢を主訴に来院した。2週間東南アジアを観光旅行し、2日前に帰国した。帰国日から水様下痢が出現し、昨日から 38 ℃台の発熱が出現したため受診した。悪心はあるが、嘔吐はない。
体温 38.3 ℃。脈拍 92/分、整。血圧 120/78 mmHg。呼吸数 16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音が亢進している。腹部全体に軽度の圧痛を認めるが、反跳痛は認めない。皮疹は認めない。
診断を確定するための検査で最も適切なのはどれか。
a. 腹部造影CT
b. 便のGram染色
c. 腹部超音波検査
d. 便の抗酸菌染色
e. 便のClostridioides difficile毒素
細菌性腸炎を考える。病原体の同定が可能のため有用。