34歳の男性。心窩部痛を主訴に来院した。本日、オートバイ運転中に併走する乗用車と接触し転倒した。意識障害はなく、四肢の擦過傷と右膝関節の打撲以外に大きな外傷はなかった。転倒3時間後に心窩部痛を自覚し、徐々に増強するため妻に付き添われて受診した。

意識は清明。体温 37.2 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 96/58 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 97%(room air)。眼瞼結膜はやや貧血様だが眼球結膜に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は軽度膨隆し、腸雑音の減弱を認める。心窩部から右季肋下にかけての圧痛を認める。神経診察で異常を認めない。

血液所見:赤血球 327万、Hb 10.6g/dL、Ht 34%、白血球 11,200、血小板 16万。血液生化学所見:総蛋白 6.8 g/dL、アルブミン 3.7 g/dL、総ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 142 U/L、ALT 78 U/L、LD 358 U/L(基準 120〜245)、γ-GT 57 U/L(基準 8〜50)、アミラーゼ 154 U/L(基準37〜160)、尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、血糖 97 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.3 mEq/L、Cl 100 mEq/L。CRP 1.0mg/dL。

現時点で行うべき検査として適切なのはどれか。3つ選べ。

a. 胸部エックス線撮影

b. 上部消化管造影検査

c. 腹部超音波検査

d. 腹部造影CT

e. 下肢MRI

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)