問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
74 歳の女性。動悸を主訴に来院した。今朝7時ころに突然、激しい動悸を自覚した。ソファーに横になり様子をみていたが、30 分経っても症状が治まらず、不安感が強くなったため受診した。既往歴として高血圧症と両側頸動脈に動脈硬化性の狭窄を指摘されている。
意識は清明。体温 36.6 ℃。脈拍 168/分、整。血圧132/88 mmHg。呼吸数 18/分。SpO₂ 98 %(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。心電図では QRS 幅の狭い波形による、規則正しい頻拍を認める。
対応として適切でないのはどれか。
a. Valsalva 手技
b. ベラパミル投与
c. ジソピラミド投与
d. 頸動脈洞マッサージ
e. アデノシン三リン酸投与
a-eはすべてPSVTに対する対応として間違いではない。
今回の場合、頸動脈の狭窄が疑われるので頸動脈洞マッサージは不適当。危険である。