問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
80 歳の女性。今朝、自室で倒れているのを家人に発見され、救急車で搬入された。1週前から 38 ℃の発熱、鼻汁および咽頭痛を訴えていたが、食事も摂れていたので医療機関は受診せずに様子をみていた。昨日の夕食も通常通りに摂取して就寝したが、朝食時に起きてこないので家人が様子を見に行ったところ自室で倒れていたという。30 年前から2型糖尿病に対して経口糖尿病薬を内服している。
意識レベルは JCSⅢ-100。身長 152 cm、体重 42 kg。体温 37.8 ℃。心拍数 104/分、整。血圧 88/46 mmHg。呼吸数 18/分。左上下肢の不全麻痺と右下肢のけいれんを認める。皮膚、口腔粘膜は著明な乾燥を認める。
尿所見:蛋白(±)、糖4+、ケトン体(ー)。血液生化学所見:尿素窒素 60 mg/dL、クレアチニン 2.4 mg/dL、血糖 1,160 mg/dL、HbA1c 6.6 % (基準 4.6〜6.2)、Na 156 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl116 mEq/L。
直ちに静注すべきなのはどれか。2つ選べ。
a. インスリン
b. 血栓溶解薬
c. 生理食塩液
d. 抗けいれん薬
e. 7% 重炭酸ナトリウム
感染を契機とした、高血糖高浸透圧症候群の症例。
持続インスリン静脈注射、生理食塩水による脱水の補正を行う。