問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
2か月の乳児。喘鳴を主訴に母親に連れられて来院した。在胎 39 週3日、体重2,750 g で出生した。出生直後から啼泣時に軽度の喘鳴を認めていたが、その後、安静時にも喘鳴を認めるようになった。2日前から哺乳時に喘鳴が増強し哺乳量が低下したという。
体重 4,560 g。体温 36.6 ℃。心拍数 110/分、整。呼吸数 36/分。SpO₂ 98 %(room air)。胸骨上窩に陥没呼吸を認め、吸気時に喘鳴を認める。RS ウイルス抗原迅速検査は陰性であった。胸部エックス線写真で異常を認めない。
可能性が高い疾患はどれか。
a. 心不全
b. 乳児喘息
c. 喉頭軟化症
d. 急性細気管支炎
e. クループ症候群
喉頭軟化症は乳児期の吸気性喘鳴の原因として最も多い。吸気時に喉頭の狭窄をきたし、吸気性の喘鳴となる。喉頭軟化症は特別な治療を必要とせず、1年くらいの経過で自然に治癒することが多い。