48歳の女性。ふらつきと複視を主訴に来院した。10日前に38℃の発熱と咽頭痛が出現したため自宅近くの診療所を受診し、感冒として投薬を受け、7日前に症状が軽快した。2日前からテレビの画面が二重に見えることに気付いた。昨日から、歩行時にふらついて転びそうになることが増えてきた。これらの症状が徐々に進行してきたため受診した。

意識は清明。体温 36.5 ℃。脈拍 68/分、整。血圧 120/68 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経診察では、両眼とも垂直、水平方向の眼球運動制限を認め、正面視以外では複視を自覚する。眼振は認めない。四肢筋力は正常だが、四肢腱反射はすべて消失している。Babinski徴候は陰性。膝踵試験は両側とも拙劣で、歩行は可能だが歩幅は広く不安定である。感覚障害は認めない。

この患者と同様の発症機序と考えられるのはどれか。

a. 重症筋無力症

b. 多発性硬化症

c. 進行性核上性麻痺

d. 筋萎縮性側索硬化症

e. Gullian-Barre症候群

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)