34歳の男性。右下腿の外傷のため救急車で搬入された。5時間前に倉庫で荷物運搬の作業中に、崩れた荷物に右下腿を挟まれて受傷した。救急隊による救出までの間、長時間挟まれていたという。

意識は清明。体温 36.2 ℃。心拍数 96/分、整。血圧 85/40 mmHg。呼吸数 32/分。SpO₂ 95 % (room air)。右下腿に腫脹と変形を認めるが、皮膚の損傷はない。足部の感覚と運動に異常を認めない。その他の部位に外傷はない。

尿所見:赤色、蛋白(−)、糖(−)、ケトン体(−)、潜血3+。検査所見:血液所見:赤血球 400万、Hb 13.9 g/dL、Ht 54%、白血球 11,000(桿状核好中球 20%、分葉核好中球 50%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 8%、リンパ球 20%)、血小板 38万。血液生化学所見:総蛋白 6.5 g/dL、アルブミン 4.6 g/dL、総ビリルビン 1.3 mg/dL、AST 125 U/L、ALT 60 U/L、LD 570 U/L(基準 120〜245) 、ALP 343 U/L(基準 115~359)、CK 6,350 U/L(基準 30~140)、尿素窒素 10.2 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、尿酸 7.6 mg/dL、血糖 98 mg/dL、Na 137 mEq/L、K 5.1 mEq/L、Cl 100mEq/L。CRP 0.84mg/dL。動脈血ガス分析:pH 7.30、PaCO₂ 25 Torr、PaO₂ 105 Torr、HCO₃⁻ 12 mEq/L。右下腿エックス線写真で、腔骨および排骨の骨幹部骨折を認めた。

今後起こり得る病態として最も注意すべきなのはどれか。

a. 菌血症

b. 急性肝不全

c. 急性腎障害

d. 急性心筋梗塞

e. 急性腸管壊死

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)