問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
45歳の男性。労作時の息切れ、全身倦怠感を主訴に来院した。5年前からサイクリングで遠出をすると息切れを自覚していた。徐々により軽い労作で症状が出現するようになり、半年前からは15分程度の通勤でも息切れが出現し、駅の階段を一気に昇れないこともあった。会社の健診では、以前から心雑音を指摘されていたが精査は行っていない。家族歴に特記すべきことはない。
意識は清明。体温36.0℃。脈拍88/分、整。血圧124/72mmHg。呼吸数16/分。SpO2 95%(room air)。呼吸音に異常を認めない。Levine 4/6の収縮期雑音を聴取する。
心電図では左室高電位、心室期外収縮の3連発を認めた。心エコー検査では左室拡張末期径は60mm、左室駆出率は40%であり、大動脈弁は二尖弁と判断された。連続波ドプラ法による測定では大動脈弁最大血流速度は5.0m/秒であり、大動脈弁口面積は0.65cm2と推定された。
適切な対応はどれか。
a. 大動脈弁置換術
b. 植込み型除細動器の植込み
c. トレッドミル運動負荷心電図
d. 治療せずに半年後に心エコー検査
e. ヒト心房利尿ペプチド〈hANP〉投与