32歳の男性。左前腕を受傷し救急車で搬入された。

現病歴:飲酒した状態で入浴し、浴槽から出た際にふらついてガラス戸に倒れ込み、ガラス片で左前腕屈側に受傷した。物音に気付いた家人が上腕部をタオルできつく縛って止血し、救急隊を要請した。

既往歴:小児喘息の既往がある。

生活歴:喫煙は20本/日を12年間。飲酒はビール 1,000mL/日。

家族歴:父親が糖尿病。

現症:酩酊状態だが会話は可能である。身長 172 cm、体重 67 kg。体温 37.2 ℃。心拍数 84/分、整。血圧 120/68 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 98%(room air)。搬入時、上腕はタオルで駆血された状態で、創部からの出血は止まっていた。受傷から80分経過していた。眼瞼結膜に異常は認めない。


上腕部のタオルを外すタイミングで適切なのはどれか。

a. 搬入後直ちに。

b. 画像所見を評価してから。

c. 血液検査の結果を確認してから。

d. 抗菌薬の投与を終えてから。

e. 手術を開始するとき。

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血液をふき取った後の創部の写真を別に示す。神経断裂を疑う所見はどれか。

手首が切れている。クリックで拡大します。

a. 創部の強い疼痛

b. 指先の知覚脱出

c. 腕橈骨筋反射の低下

d. 手関節自動伸展が不可能

e. 損傷部位より末梢の浮腫

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)