78歳の女性。息切れを主訴に来院した。

現病歴:65歳で事務職を退職するまで毎年、健康診断を受けていたが、異常を指摘されたことはなかった。4年前に感冒症状で自宅近くの診療所を受診した時に、心雑音を指摘されたが精査はされていない。趣味で卓球をしていたが、1年ほど前から競技中に胸部圧迫感を自覚するようになった。1か月ほど前から買い物のためスーパーまで15分程度歩いていく途中に息切れを自覚するようになった。

生活歴:喫煙は20歳から65歳まで1日20本。飲酒は機会飲酒。

家族歴:父が73歳時に脳出血で死亡。母は82歳時に腹部大動脈にステントグラフト内挿術を受けた。

現症:意識は清明。身長154cm、体重54kg。体温36.8℃。脈拍60/分、整。血圧154/92mmHg。呼吸数18/分。SpO2 97%(room air)。眼瞼結膜に異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。呼吸音に異常を認めない。頸部に放散する胸骨右縁第2肋間を最強点とするLevine 3/6の駆出性収縮期雑音を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。


可能性の高い疾患はどれか。

a. 肥大型心筋症

b. 動脈管開存症

c. 大動脈弁狭窄症

d. 心房中隔欠損症

e. 僧帽弁閉鎖不全症

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治療方針の決定に役立つ情報に含まれないのはどれか。

a. 自覚症状

b. 併存疾患の有無

c. 心エコー検査の所見

d. 心臓カテーテル検査の所見

e. MIBG心筋シンチグラフィの所見

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)