67歳の男性。繰り返す発熱を主訴に来院した。60歳時に健診で心雑音を指摘された。精査の結果、中等度の大動脈弁逆流症を指摘され、定期的にフォローアップされていた。7週間前から38℃前後の発熱が出現し、市販の解熱薬の内服により一時的に解熱するが、再度発熱するというエピソードを繰り返すため来院した。

意識は清明。体温 37.6 ℃。脈拍 92/分、整。血圧 116/54 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 94%(room air)。

血液所見:赤血球 452万、Hb 12.4 g/dL、Ht 36%、白血球 14,800、(桿状核好中球 55%、分葉核好中球 25%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 5%、リンパ球 13%)、血小板15万。血液生化学所見:AST 38 U/L、ALT 36 U/L、尿素窒素 30 mg/dL、クレアチニン 1.3 mg/dL、尿酸 7.1 mg/dL、Na 135 mEq/L、K 4.6 mEq/L、Cl 102 mEq/L。CRP 14 mg/dL。心エコー検査では大動脈弁逆流症と弁への疣贅付着を認めた。抗菌薬投与を開始した。

この患者の治療経過中に緊急大動脈弁置換術の適応とならないのはどれか。

a. 弁穿孔の合併

b. 弁周囲膿瘍の形成

c. 出血性脳梗塞を併発後の昏睡状態

d. 疣贅が増大し塞栓症がみられる場合

e. 内科的にコントロールが困難な心不全の出現

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)