71歳の男性。皮膚の黄染を主訴に来院した。1か月前から全身倦怠感が生じ、3日前から皮膚の黄染に気付き受診した。20年前から2型糖尿病のため通院加療中で、経口血糖降下薬の内服を継続している。輸血歴、飲酒歴はない。意識は清明。

体温 36.8℃。脈拍 72/分、整。血圧 128/80 mmHg。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認める。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。全身の皮膚に黄染を認める。

尿所見:蛋白(−)、糖(−)、潜血+、ビリルビン 2+。血液所見:赤血球 468万、Hb 13.9 g/dL、Ht 42%、白血球8,300、血小板21万。血液生化学所見:総ビリルビン 9.8 mg/dL、直接ビリルビン 6.2 mg/dL、AST 52 U/L、ALT 63 U/L、ALP 323 U/L(基準 38~113)、LD 242 U/L(基準 120~245)、γ-GT 282 U/L(基準 8~50)。免疫血清学所見:CRP 1.0 mg/dL、HBs抗原陰性、HCV抗体陰性。腹部超音波像を別に示す。

考えられる病態はどれか。

a. 体質性黄疸

b. 閉塞性黄疸

c. 溶血性貧血

d. 薬剤性肝障害

e. ウイルス性肝炎

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)