69歳の男性。胸痛を主訴に来院した。糖尿病性腎症に起因する慢性腎不全で半年前から1回4時間、週3回の血液透析を受けている。本日、通常通り血液透析を終了して帰宅した。帰宅後にテレビを見ていると急に左前胸部痛と冷汗が出現し、改善しないため家族の運転する車で救急外来を受診した。来院時も同様の症状が持続している。

意識は清明。表情は苦悶様。身長 168 cm、体重 67 kg(透析直後体重 65.8 kg)。脈拍 100/分、整。血圧 156/88 mmHg。SpO2 96%(room air)。1日尿量は 500mL程度である。心音と呼吸音に異常を認めない。左前腕に血管雑音を聴取する。心電図のII、III、aVF誘導に2mmのST上昇を認める。

最も適切な対応はどれか。

a. 利尿薬を投与する。

b. 冠動脈造影を施行する。

c. 緊急血液透析を施行する。

d. 自宅での経過観察を指示する。

e. 上肢の超音波検査を施行する。

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)