問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
86 歳の女性。10 年前に脳梗塞を発症して寝たきりとなった。重度の認知症があり、自宅で家族が介護してきたが、四肢関節の拘縮が徐々に進行し、最近は体位変換も困難である。訪問診療に訪れたところ、和室の布団に右側臥位で寝ている。股関節は 90 度屈曲位で拘縮しており、うなり声をあげている。
身長 154 cm、体重42 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 122/68 mmHg。呼吸数 18/分。
診察に際して正しいのはどれか。
a. 表情をみながら触診する。
b. 浮腫の有無は左半身で判断する。
c. 股関節を完全伸展させてから診察する。
d. 声を出さないよう指示してから聴診する。
e. 打診は疼痛が疑われる部位に繰り返し行う。