38 歳の男性。食欲不振、腰痛および背部痛を主訴に来院した。

現病歴:半年前から胸やけと食欲不振、腰痛を自覚していた。2 か月前から背部痛と呼吸困難が出現し、自宅近くの診療所を受診した。上部消化管内視鏡検査で胃体部に進行胃癌を認め、精査と治療のため入院となった。腰痛はみられるが、ADL は自立し歩行可能である。

既往歴:特記すべきことはない。

生活歴:妻と小学生の娘 2 人と 4 人暮らし。職業は会社員、営業職で外回りの仕事が多い。喫煙は 20 歳から 20 本/日だが、2 週間前から禁煙している。飲酒は機会飲酒。

家族歴:特記すべきことはない。

現 症:意識は清明。身長 176 cm、体重 63 kg。体温 36.4 ℃。脈拍 92/分、整。血圧 120/64 mmHg。呼吸数 18/分。SpO₂ 97 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。

検査所見:血液所見:赤血球 390 万、Hb 9.1 g/dL、Ht 39 %、白血球 6,300、血小板 26 万。血液生化学所見:総蛋白 5.0 g/dL、アルブミン 3.0 g/dL、総ビリルビン 0.8 mg/dL、AST 16 U/L、ALT 18 U/L、LD 184 U/L(基 準 120~245)、ALP 200 U/L(基準 38~113)、クレアチニン 1.0 mg/dL、Na 141 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 101 mEq/L、Ca 8.5 mg/dL。胸部エックス線写真で両肺に散在する腫瘤を認めた。腹部 CT 及び腰椎 MRI で第 1 腰椎と第 3 腰椎に転移性骨腫瘍を認めた。肝転移は認めなかった。

患者には病状が詳しく伝えられ、今後抗癌化学療法、放射線治療が計画された。患者から、「会社に迷惑をかけるので、仕事をやめようか悩んでいる。治療費もたくさんかかるし、小学生の娘 2 人を今後どうやって養っていったらよいかを考えると心配でしょうがない」と相談があった。


この患者への対応で誤っているのはどれか。

a. 患者の病状理解を確認する。

b. 職場への伝え方を助言する。

c. 不安を軽減させるための支援を行う。

d. 退職して治療に専念するよう伝える。

e. 利用可能な支援制度の情報提供を行う。

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患者は抗癌化学療法、腰椎の転移性骨腫瘍に対する放射線治療を受け、1 か月後に自宅退院し、職場復帰した。今後、外来で抗癌化学療法を継続する予定である。

この患者が利用できる制度はどれか。

a. 介護保険

b. 障害年金

c. 高額療養費制度

d. 自立支援医療制度

e. 指定難病医療費助成制度

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)