59 歳の男性。倦怠感、悪心、嘔吐および発熱を主訴に来院した。

現病歴:昨日から倦怠感を自覚していたが、本日、悪心、嘔吐および悪寒戦慄を伴う発熱が出現し、体動困難となったため救急外来を受診した。

既往歴:糖尿病で SGLT2 阻害薬を内服している。高血圧と脂質異常症で食事療法を行っている。

生活歴:妻と 2 人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。

家族歴:父が糖尿病。母が大腸癌。

現 症:意識は清明。身長 165 cm、体重 70 kg。体温 38.5 ℃。脈拍 92/分、整。血圧 120/86 mmHg。呼吸数 20/分。SpO₂ 98 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨満しており腸蠕動音は低下しているが、圧痛や腫瘤は認めない。肝・脾を触知しない。肋骨脊柱角叩打痛は両側とも認めない。

検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖 2 +、潜血(-)、①沈渣に白血球を認めない

血液所見:赤血球 522 万、Hb 16.2 g/dL、Ht 47 %、白血球 19,600(桿状核好中球 3 %、分葉核好中球 79 %、単球 6 %、リンパ球 12 %)、 血小板 17 万、PT-INR 1.09(基準 0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白 6.9 g/dL、アルブミン 4.1 g/dL、② 総ビリルビン1.8 mg/dL、 直接ビリルビン 1.0 mg/dL、AST 23 U/L、ALT 33 U/L、LD 178 U/L(基準 120~245)、ALP 103 U/L(基準 38~113)、γ-GT 85 U/L(基準 8 ~50)、 アミラーゼ 45 U/L(基準 37~160)、CK 144 U/L(基準 30~140)、尿素窒素 20 mg/dL、クレアチニン 0.87 mg/dL、③eGFR 70.1 mL/分/1.73 m²④尿酸6.0 mg/dL、 血糖 189 mg/dL、HbA1c 7.5 %(基準 4.6~6.2)、⑤ Na 136 mEq /L、K 4.4 mEq/L、Cl 98 mEq/L。CRP 11.4 mg/dL。


症状の原因を検索するために画像検査が必要と考えた。

下線部のうち、造影 CT 撮影実施の可否を判断する上で最も重要な情報はどれか。

a. ①

b. ②

c. ③

d. ④

e. ⑤


救急外来で撮影した腹部造影 CTを別に示す。患者は入院し、抗菌薬治療が開始された。入院翌日、救急外来で採取した血液培養 2 セットから Gram 陰性桿菌が検出された。

追加すべき治療として適切なのはどれか。

a. 肝庇護薬の全身投与

b. 肝内病変のラジオ波焼灼

c. 肝内病変の穿刺ドレナージ

d. 副腎皮質ステロイドの全身投与

e. 肝内病変の内視鏡的経鼻胆管ドレナージ

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)