28 歳の女性( 0 妊 0 産、挙児希望あり)。息切れとめまいを主訴に救急車で搬入された。 6 か月前から月経血量が増え、夜中に夜間用ナプキンを超えて出血する回数が多くなった。最近は階段を昇るときに息切れを自覚していた。 1 週間前に産婦人科を受診し、骨盤部 MRI 検査を行った。3 日前から月経が始まり、昨晩から多量の性器出血があり、朝にはめまいが出現し起立できず、救急車を要請した。1 年前の子宮頸がん検診で異常は指摘されていないという。

顔面蒼白だが、意識は清明。身長 160 cm、体重 52 kg。体温 36.4 ℃。心拍数 120/分、整。血圧 80/42 mmHg。呼吸数 22/分。SpO₂ 99 %(room air)。

血液所見:赤血球 182 万、Hb 4.5 g/dL、Ht 17 %、白血球 6,700、血小板 21 万、PT-INR 1.0(基準 0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白 6.7 g/dL、アルブミン 3.2 g/dL、直接ビリルビン0.3 mg/dL、AST 24 U/L、ALT 22 U/L、LD 138 U/L(基準 120~245)、γ-GT 17 U/L(基準 8 ~50)、尿素窒素 20 mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 105 mEq/L、Fe 14 μg/dL、 フェリチン 10 ng/mL(基準 20~120)。心電図に異常を認めない。腟鏡診で腟内に多量の凝血塊を認める。内診(双合診)で子宮長は 10 cm を超えるが可動性は良好、子宮下部に弾性硬の腫瘤を触知する。骨盤部単純 MRI T2 強調矢状断像を別に示す。この患者で酸素投与、静脈路確保、心電図モニタリングに引き続き直ちに行うべき治療法はどれか。

a. 赤血球輸血

b. 鉄剤静脈内投与

c. 内分泌(ホルモン)薬による治療

d. 子宮全摘出術

e. 子宮動脈塞栓術

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)